【感じ取る 伝え合う より深く】        -音や音楽と豊かにかかわることを目指して-

 現行学習指導要領、音楽科の目標は「表現及び鑑賞の(幅広い)活動を通して、音楽的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の音や音楽、(音楽文化)と豊かに関わる資質・能力を育成すること」である。多様な音楽活動の中で、音楽に対する感性を働かせることによって音楽科の学習は成立し、その学習を積み重ねることによって音楽に対する感性は豊かになっていくことが示されている。

 この3年、音楽科の学習活動は大きな制約を受けた。思うように歌ったり演奏したりできない中、音楽科の目標に向かって、わたしたちは模索・試行錯誤しながら工夫して授業を行ってきた。それは、新たな授業の在り方となり、多くの発見が得られた。

 本研究会では、令和4年度から「感じ取る 伝え合う より深く」をメインテーマとして研究を行ってきた。「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を図り、ICT機器等を活用しながら、音楽や他者の思いを感じ取り、自分の思いを言葉や音、音楽で伝え合うことにより、学びを深めることを目指して、多くの実践が発表された。しかし、ICT機器の活用が手段ではなく目的化してしまう事例、音や音楽でのコミュニケーションが十分でない事例もあり課題となった。また、制限のある環境下に慣れ、消極的な授業を続けている事例についても懸念される。今後は制限が緩和されることによる教師一人一人の授業の広がりを期待したい。

 そこで、本年度は「感じ取る 伝え合う より深く -音や音楽と豊かにかかわることを目指して-」をテーマとした。実際に歌ったり演奏したりして表現することは、活動の楽しさを味わうことだけではない。必要な資質や能力を高め、音楽のよさや他者の思いを感じ取り、試行錯誤しながら伝え合い、追究していく。そこに音楽を学習することへの喜びがあり、音楽に対する感性が豊かになることにつながっていく。さらに、この3年間で培った新たな授業の手立てを活用することで、より効果的に深く学ぶことができるのではないだろうか。子どもたちが、そのような学びの中で、仲間と感じ取り、伝え合いながら、主体的に学びを深めることができるよう、研究を進めていきたい。